酒さ・酒さ様皮膚炎
お酒を飲んだときのように、鼻の頭や頬が赤くなる、いわゆる赤ら顔を「酒さ」といいます。中年以降に多いといわれており、赤みと血管拡張がメインの症状です。ニキビのようなぽつぽつした発疹や、皮膚のざらつきやごわつき、ほてりがみられることもあります。
同じような病名の「酒さ様皮膚炎」は、酒さとは別物です。こちらはステロイドやタクロリムス外用薬による副作用で生じる皮膚炎のことをいいます。口の周りや鼻のきわあたりに症状が特にでやすく、かゆみやほてりが同時にみられることが多いです。
酒さの治療

酒さに対して保険で処方できる外用薬はメトロニダゾールという成分の「ロゼックスゲル」のみです。少し乾燥しやすいため、よく保湿しながら使う必要があります。炎症を抑える目的で抗生剤のビブラマイシン(ドキシサイクリン)を処方することもあります。

酒さは慢性的に症状が続いて保険治療薬ではなかなか効かない、という方もいます。保険適応外ですが、アゼライン酸の外用剤やイソトレチノインの内服も有効ですのでお気軽にご相談ください。
酒さ様皮膚炎の治療

ステロイド外用薬は適切に使えば怖くないのですが、長期使用すると酒さ様皮膚炎を誘発します。どのくらい使用すると生じるかは個人差があります。タクロリムス軟膏でも生じます。

塗り薬が原因なので中止することが一番大切ですが、中止するとリバウンドといって症状がかなり悪化しますので、ここを我慢して乗り切る必要があります。